あいちゃんとそうたは日帰りでおでかけ。
バス停まで迎えに行くことは前日に決めてあった。
バスに乗り、到着予定時間を教えてもらったので、バス停までの時間を逆算しながら家を出る。
外は北風がビュービュー吹いていて寒く、風にあおられた砂が顔や体に容赦なく当たる。
それがまた痛い。
上着のポケットに手を入れ、首はマフラーでグルグル巻きにしていても寒い。
道が混んで遅延しているらしい。
先にバス停に着いて、寒空の下、一人待つ。
あまりにも寒いので自販機で缶コーヒーを買う。
缶コーヒーをポケットに入れて暖をとりながら、ふと思う。
外は寒いのに、内側は温かい気がする。
ポカポカというより、じんわり温かい。
この温かさは何か?
考えているうちに時間は過ぎて、二人の乗ったバスが到着し、二人の顔を見たらうれしい気持ちになった。
バスから降りてきて言葉を交わす。
「ただいま」「おかえり」